その7 最終日

10月6日 チェックアウトの前に 裏通りを探検した
アパートの入口に居たお爺さんに断って 写真を撮らせてもらった
一見 だらしなく見えるが よく見ると それなりに片付けてある 掃除もしてある 見えるものは皆くたびれてはいるが 大切に使われている様子

入口に綿花の袋を見つけた ガイドの Tさんは 躊躇無くズンズン中に入って行く ついて入った

目が慣れた瞬間 タイムスリップした 凄いところに出た 今時この風景は無い 驚いた
天井が抜けている 雨の日はどうすんだ と思ったが 年間降雨量 42ミリ 多少濡れても構わないのだろう それにしても 黄砂は舞うし 砂嵐もあるだろうに と 無用な心配をしてしまった 無遠慮に入って行ったが 気にする様子は無かった

三輪車が多い 皆同じ アズキ色 荷台の仕様が面白い 雨対策は 念頭に無い

比較的大きなアパートのエントランス セキュリティーは緩い とういうか 無防備
裏通りを一言で言うと「スッピン」メンテナンスにも気を遣ってない 人の往来の範囲が狭いと何処もこんな感じだろう みんな知ってる顔ばかり 化粧や装いに気を遣う必要が無いのだ それにしても Tさんは逞しい 好奇心旺盛 敦煌は彼女にとっても未知の世界 仕事は日本のメディアの取材スタッフ

最後のランチは表通りの KFC 貪り食ったかも
かつて 杭州と上海に 一週間程滞在したことがある いろんなものを食べた 敦煌料理は 具材も味付けも知ってる中華とはだいぶ違う 一週間では馴染まなかった

今回の旅はタイムトラベラーのようだった
敦煌は昭和 遺跡は紀元前 太古の砂漠で 地下の古墳に潜った 最先端の発電所があった 青天井の工場もあった ケンタッキーもあった 日々 時代を行ったり来たり あっちこっちで突然 タイムスリップした かつて経験したことの無い めくるめくような 一週間だった

総括 旅はすべし 進んで 人の世話になるべし 少しは平和になるかも

おしまい